CtoC教育サービスが浸透してきた3つのポイント-日米の成功事例から学ぶ-

日付:2013年8月30日金曜日 カテゴリー:



徐々に、かつ急速に広まるCtoC(個人間取引)の教育サービス。
なかなか機会に巡り会えないだけで、「教えたい」「学びたい」と思っている人は沢山いるものです。だったらその機会を提供すればいいじゃないか、ということでここ数年アメリカを皮切りに欧州や日本でもCtoC系の教育サービスが多数立ち上がりました。


立ち上がったサービスたちが、本当に誰もが使えるサービスとして広まっていくのか、いま注目が集まっています。教える講師のレベルや提供する内容が学ぶ側のニーズを満足させるという意味での「マッチング」が正しく行われないとサービスとして成立しないからです。

今回は、CtoC教育サービスが少なくともこの数年で、「教育の民主化」「知の民主化」などのムーブメントとして認知されるまでに成長してきた背景と現状を、3つのポイントに整理してお伝えします。


講師にとっての高い収益性

個人間取引というと、プロではない人(=私たち)が空き時間に教えるというような印象を持っている人も多いと思います。ですが、CtoC教育サービスを使っている講師の中には、そのプラットフォームを使って実際に何度も教えて、定期的な収入を得るまでに至った人達が既に出始めています。講師業がもたらす安定した収入というメリットはとても大きく、魅力の1つとなっています。例えば、創立から1年しか経っていない私たちストリートアカデミーでも、本業の傍らですでに60万円以上を稼ぐパワー講師が出現しています。

では、日本に先立ってCtoC教育サービスが流行したアメリカではどうでしょうか。

Udemy2010年に創立された、誰もが先生としてオンライン受講の講座を開設できるサービスです。このUdemyを使ってウェブプログラミングを教えているVictor Bastosという人物は、わずか1年半の間になんと約5,000万円の収入を稼いでしまいました。当初は本業の傍ら教えていたそうですが、ある時点でUdemyに専念すべく、本業を辞めてしまったほどです。これはかなり極端な例ですが、CtoCでしっかりとお金を稼げるということは、マーケットとして確立されてきた良い証拠だと思います。



もう1つ紹介するのがSkillShareです。こちらも米国で2011年に創立されたオフラインで教えるサービスですが、サービス開始から1年余りでひと月250万円を稼ぐ講師も現れていて、こちらも講師にとっての収益性がかなり高いです。また学ぶ側には、1人で累計30万円分のレッスンを受けたという生徒もおり、高い収益性の下支えとなっています。こういった「安定して収入を稼げる」という実例は、ハイレベルな講師たちを触発して誘い込む誘発剤となります。そして、講師のレベルの全体的な向上にも貢献することでしょう。


サービスの質が高くなることによって市場が大きくなるでしょうし、特に日本においてはそもそもの認知の向上も伴って今後も成長の余地が大きいと思われます。CtoC教育サービスが普及していくにつれて、月100万円を稼ぎ出す講師が現れて来ても不思議ではないでしょう。

【参考】


教育アプローチの多様性の進化

CtoC教育サービスが浸透してきた理由の2つ目は、そのアプローチの多様性です。大きく3つに分類しましたが、インターネットを活用して様々な教育提供のアプローチが提案されてきたことで、教える側にとっても学ぶ側にとっても幅広いニーズのマッチングを確保できるようになりました。

1. オンライン教育コンテンツ

これは動画やPowerPointなどを、教える側がアップロードし、学ぶ側は好きな時間に自由に利用できるので、双方ともに時間コストの効率が非常に高いです。また多くのコンテンツは無料で提供されています。当ブログでも度々紹介してきたカーンアカデミーや先ほど紹介したUdemyも該当します。



国内ではShereWisというオンライン学習コンテンツを投稿するサービスがあります。各レッスンがとてもコンパクトなので、テンポよくゲーム感覚で学習を進めることができます。勉強したこと同士の結びつきが地図上で表示され、一目瞭然なのがユーザにとって嬉しく、差別化ポイントとなっています。

2. マンツーマンの家庭教師・コーチとのマッチング

対面でマンツーマンレッスンを受けるお気に入りの講師やレッスンをウェブ上で探せるサービスです。国内のサービスですと、しえるまなべるCyta.jp、また、レアジョブラングリッチなどのスカイプ英会話レッスンもこちらに該当します。





特にCyta.jpは厳しい面接を通った専属講師から学べるので、学ぶ側としてはより安心してサービスを利用することができます。何を学びたいか、どこを向上させたいかが決まっている方の満足度を高める工夫が徹底されています。


3. 自由に参加出来るグループイベント形式

ウェブ上でお気に入りの講師やレッスンを探して、対面でレッスンを受けるのは2.と同じですが、グループで行うことに意味があります。誰かと一緒に学ぶことで、コミュニケーションが生まれ、各々が教え、教えられることに重きを置いています。

SNSを活用した例ですと、Facebookのイベント機能やPeaTiXなどを使った勉強会やセミナー開催なども最近は多く見られるようになりました。ですが、レッスンを分かりやすく探せる場として、SkillShareストリートアカデミーが教育に特化したマーケットプレイスを構築しています。

【参考】



クオリティの担保
CtoCの教育サービスについて回る問題に、講師やレッスン内容のクオリティへの懸念があると思います。学校の先生に教わることに慣れてしまっていますし、いわゆる学校法人、スクールなどの「ブランド」が見えないため、プロ以外に教わることへ不安を抱きがちになるのは、仕方のないことだと思います。

ウェブを使ったCtoC教育プラットフォームは、そのほとんどが講師の実績データや口コミ評価などの情報を「見える化」し、クオリティ保証の鍵としています。他の方の体験レポートや評価などを見て、初めて安心してお金を払って受講できるのではないでしょうか。

参加者全員のフィードバックによりクオリティの底上げとマッチングの向上も促せる、これが正に、「知の民主化」の進行と言えます。

欧米では既に100万人ユーザを超すCtoC系教育サービスがいくつも出てきており、そのレベルまで行くと、上記の実績や評価のデータもかなり蓄積されています。このデータの蓄積が安心感を呼び、さらなる普及を促します。

日本のサービスはまだそこまでのユーザ数が集まるサービスには育っていませんが、ストリートアカデミーを含め各サービスは成長傾向にあります。今後も利用者と講師が増えていくことで、データが蓄積されクオリティも向上して行くのではないでしょうか。


まとめ -Learning is everywhere
いかがだったでしょうか。
上記のような収益が上がるのは、学ぶ側にも教える側にもニーズがある証拠です。アプローチがさらに多様化したり、クオリティがさらに高まったりしていけば、さらにニーズは拡大します。学ぶ側も教える側も潜在的にこのサービスを求めていたのです。

専門学校やスクールに所属する講師からそこの場所に限定された形式で学ぶという型にはまりきった時代は終わりを迎えつつあります。学びはどんな場所にでもあります。これからは、教えたい人ならだれでも講師として教える世の中になっていきます。CtoC教育サービスの発展とともに、教育のあり方がどう変わっていくのか、とても楽しみですね。

Photo:Some rights reserved by Mark Brannan, flickr
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